株式会社ジズコ

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望遠鏡とアイピースのレンズクリーニング


光学レンズのクリーニングはそれに適した環境で行う必要がありますが、クリーニングにはまったく適さない環境の下、何度もクリーニングすることでレンズ面をキズつけてしまうことも少なくありません。クリーニングは野外で行わないでください。夜、赤い光の下ではホコリが見えないので、その上からクリーニングすればキズの原因となります。

きれいにしたキッチンテーブルなど、ホコリや汚れの無い場所を選びます。薬局で販売されているバルブ式/注射器型の耳洗浄器やブロワー、綿棒、処理の施されてないティッシュペーパーやチリ紙を用意します。芳香剤やローションを含むティッシュペーパーを使うと、レンズ面に被膜が残ります。点検灯もあるとよいでしょう。

クリーニングに使う液については、さまざまな見解があります。アイピースや望遠鏡のレンズ面に施された反射防止コートは、クリーニング液の被膜が残っても、クリーニング液せいで損傷を受けることはありません。試薬用のアセトンが理想的ですが、ホームセンターなどで入手できるアルコールやアセトンも使えます。マニキュア落としには芳香剤やオイルが含まれているため、レンズ面に被膜が残ってしまいます。ウィンデックスやガラスプラスなどの洗剤は、レンズ面に堆積した水溶性の汚れを取り除く目的に使えます。すでにお使いのレンズクリーナーで問題なければ、そのクリーナーを使ってください。

まずはブロワーなどで、レンズ面のホコリを飛ばします。息を吹きかけてホコリを飛ばそうとすると、レンズ面にツバなどの小滴がついてしまうので避けてください。レンズ面にこびりついた粒子は、ティッシュペーパーに洗剤を湿らせて(浸さないこと)、レンズ面をこすらずにやさしくふきます。径の小さなレンズの場合は、綿棒などを使います。ここでもう一度、ブロアでホコリを飛ばします。

次に綿棒やティッシュをアルコール、アセトン、常用のクリーナーなどで湿らせ(浸さないこと)、レンズの中心から端に向かって円を描きながらやさしくふきます。使用するクリーニング液が綿棒やティッシュから「離れない」ようにしてゆっくりと円を描きます。回し方が速すぎると、液の一部が「途切れて」しまい、液の痕が斑点状になってレンズ面に残ります。レンズを完璧にクリーニングするには、綿棒やティッシュをたくさん使います。ひとふき毎に綿棒やティッシュを新しいものと交換することで、レンズ面に汚れが残ることなく、キズを避けることができます。手や指の油分でレンズが汚れてしまうので、指がレンズに触れないようにします。また、手や指の油分が綿棒やティッシュにつかないように注意します。油分がついた綿棒やティッシュは使わないでください。

レンズ周辺は綿棒やティッシュが届かいので、最もクリーニングしにくいところです。クリーニング液は毛細管現象で内部にしみ込んでしまうため、液をたくさん使ったり、レンズ面に直接落としたりしないでください。先を尖らせたティッシュに液を少量つけて、レンズ周辺をふきます。 クリーニングを終えても、レンズ面に斑点が残る場合は、レンズ面に息をかけてから、アルコールを染ませた綿棒やティッシュでふきます。残っている斑点が水溶性なら、これできれいになります。アルコールやアセトンには水分が含まれていないため、息に含まれた水分の助けがないと水溶性の斑点は除去できません。

重要) 双眼鏡やカメラレンズの場合はアセトンを使わずに、アルコールのみを使います。多くの場合、レンズ周辺部は塗装されていますが、アセトンで溶けた塗装がレンズ面に広がったり、プラスチック製の部位を痛めたりします。


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