イーソスSX開発秘話

イーソスSX(Simulator eXperience) 3.7mm

イーソスSX 3.7mmの仕様


● 見掛け視界 110°

● 焦点距離 3.7mm

● 有効視野径 7.04mm

● アイレリーフ 15mm (ディオプトロクス対応)

● 本体重量:463g、2”アダプター:57g

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                               


世界初、見掛け視界110度の天体用アイピース!

テレビュー社現会長アル・ナグラーは、イーソスの設計者ポール・デレカイに対し、次の新型イーソス3.7mmの見掛け視界を、45年前、NASA宇宙飛行士が月面着陸訓練を行えるように自ら設計したLEMシミュレーターの光学系と同じ110度まで広げるよう進言しました。LEMプログラムから数年後、LEMキャビンの三角窓にシミュレーションで動く月面を110度の視界で体験したことが、アル・ナグラーはその「シミュレーター体験」に肉薄する「超広角(特許主題)」天体観測用アイピースを開発するきっかけとなりました。その後、82度のナグラーアイピースが市場で好評を博し、天文ファンが観望する世界は大きく変わります。これが「スペースウォーク」の命名起源です。

基本的に、その「体験」は裸眼と同じように天体を自然に感じることです。設計者ポールのおかげで、アル・ナグラーが天文ファンとして抱き続けてきた夢が叶うことになりました。新型のイーソスSX 3.7mmは、あの自然な体験を表現すべく、高いコントラスト、色彩感、収差補正、全域のシャープネスを、とてつもなく広い視野いっぱいに実現するよう設計され、製作されています。 単に見掛け視界110°の実現にとどまることなく、他のイーソスシリーズ同様、ディープスカイの実視界を備えた高性能月・惑星アイピースが誕生することになりました。見掛け視界110°のイーソスSXの視野領域は、見掛け視界100°のイーソスに比べ21%広く、イーソス6mmの実視界の68%を保ちながらも、倍率を同アイピースの62%上げることができます。実際、イーソスSX 3.7mmの実視界は、テレビュープルーセル8mm、ラジアン6mm、ナグラータイプ6_5mmの実視界より広いのです。1 1/4"バレルのイーソスSX 3.7mmは、テレビュープルーセル、パンオプティック、ラジアン、ナグラー、ナグラーズーム、イーソス6mm、8mmと同焦点設計です。付属の2インチアダプターを装着すれば、2インチバレルを使ったときのイーソス13mm、10mmと同焦点設計になります。

余談ですが、この2インチアダプターはディスプレースタンドとしても活用できます。アル・ナグラーの「月面を舞う感覚」を必ずしも十分に表現できたとも思いませんが、宇宙飛行士が40年も前に味わったことを、いまはじめて体験できるのです。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                           


左の写真は、LEMシミュレーターに備えられた無限遠の像を映し出すプロジェクター(Infinity Display Projectors)です。このプロジェクターは、宇宙船にある窓の数だけ必要になります。このプロジェクターを宇宙飛行士が「偉大なる機関車の残骸」と呼んで親しんだ訳がお分かりいただけるでしょう。 光学設計は、約1.8メートルのミラー、ビームスプリッター、90センチのレンズで構成されます。月面の画像が、もうひとつの星野背景映像と合成され、その組み合わせが無限遠の視度で投影されます。シミュレーションされたLEMキャビンの三角窓に配した三角形のコンプレッサーレンズ(左写真)により、宇宙飛行士は下のような映像を見ます。いずれのInfinity Display Projectorsも、実質上、射出瞳径304.8mm、アイレリーフ304.8mmの巨大なアイピースとなります。窓から約30センチ離れた宇宙飛行士の目には、110度の視界が飛び込んできます。 新設計のイーソスSX 3.7mmは大きく感じたと思いますが、まずはお手持ちの望遠鏡に装着された姿を想像してみてください!