ラジアン レポート

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ラジアン アイピース


第一印象は“すごいシャープだ”ということです。シャープさではパン・オプティックより上と感じました。
今回ラジアンを選んだのは、私もメガネ屋なので(乱視有り)、望遠鏡を覗く時もメガネが離せない事情があり、アイレリーフ20ミリというところが魅力です。同じコンセプトで、他メーカーのシリーズがありますが、ここで書く印象は主にそれとの比較とします。
ボーグ100のアクロマートにつけて見ますと、まず、色収差が目立たなくなった感じがします。星像もきりッと引き締まり見事な点像です。倍率の関係もありましょうが、背景は暗く大変コントラストが高い印象です。一目みただけでその差は確認できました。
すでに使っている方から、ラジアンは瞳位置に敏感。人によっては覗きにくい、という意見も聞きました。私が実際覗いた印象ではそんなに覗きにくい感じはありません。覗きやすさ一番のパンオプティックと比べれば差は感じますが、他メーカー製ロング・アイレリーフアイピースとは覗いた感覚は同じくらいです。メガネ使用時にはインスタアジャスト機構や瞳ガイドプレートは必要ない気がしますが。。。 
また、個人的には更に長焦点のラインナップも希望したいと思います。ただ購入したいのは惑星用として短焦点のものを狙っています。


百瀬雅彦 長野県塩尻市(Masahiko Momose Shiojiri-Shi,Nagano-Ken)




ラジアンの魅力


ラジアン6mmを買って一年になります。その間、15cmf10反射(ミザール、アルテア)にラジアンの組み合わせで木星、土星の観望に使って来ました。
ラジアンを最初に覗いた印象は、「明るい」です。それまで使っていた国産のアイピースに比べて、ほんの僅かですが像が明るく感じました。次に、視野の端まで、像が崩れないことに驚きました。
国産のロングアイレリーフのアイピースは覗きやすさではOrに勝るのですが、少し、コントラストが弱くなり木星の模様はOrの方がクッキリ見えることもありました。これは人によるかも知れませんが。
ラジアンは、覗きやすさ、コントラストともに勝っています。さらに星像がもう一つ締まって見えます。シーングの良い時には、他のアイピースよりも木星の縞が一本多く見えるといっても言い過ぎではないでしょう。見掛け視界が60°と広いことが、長時間覗いていても眼を疲れさせないようにも感じられます。
重いことが心配でしたが36.4mmのダイアゴナル(プラスチックボディー)を使ってもぐらつくことなく安定していました。
ラジアンは瞳の位置が合わせづらいとの指摘もありますが私にはそれほど苦になりませんでした。メガネを掛けているので、予めアイガードの位置を調節して置きメガネを軽く押しつけるようにすると難なく瞳位置が合わせられます。メガネを掛けない時も同じで、予めアイガードの位置を調節しておくと良いようです。覗きながらアイガードの位置を調節しようとすると瞳位置が不安定になるかも知れません。
唯一の難点は、良シーングにめぐり合うことが稀で、なかなかラジアン6mm(250倍)の能力が充分引き出せないことでしょうか。そのため、ラジアン8mm(187倍)も買い足しました。これで、今度の火星接近へ準備が整いました。
贅沢するならば、シーングの状態に応じてラジアンを3本揃えて置くと良いでしょう。例えば、F10の望遠鏡とならば、8mm,6mm(または5mm),4mmといった具合です。

ラジアンは惑星観望だけではなく、ディープスカイにも活躍しています。ラジアン14mmで107倍になります。この倍率で、視野は33.6分もあります。球状星団や銀河の観望、さらにOIIIフィルタを付けて、惑星状星雲や散光星雲の観望にも重宝しています。メガネを掛けて見る時はパンオプ15mmよりも楽でした。
ラジアンを使って悩んだことが一つあります。ラジアンは細長いため、立てると倒れやすく危険なのです。そうは言っても転がってしまうので横に寝かせるのはもっと危険です。そこで、観望時はカメラマン・ベストを着てベストのポケットに入れるようにしています。早い話が、カメラの交換レンズと同じように扱っているのです。国産メーカの24.5mm径や31.7mm径のアイピースと違って、胴が太いTVのアイピースは、カメラの交換レンズと形が似ています。普段の保管もカメラの交換レンズと同じように、シリコンクロスの袋に入れ、カメラバッグに格納してます。


三品利郎 神奈川県横浜市(Toshiroh Mishina Yokohama-Shi Kanagawa-Ken)