イーソス レポート

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テレビューイーソス 6, 8, 10, 13 & 17mm

エリック・ウィルコックス_ASTRONOMY TECHNOLOGY TODAY


はじめてナグラーアイピースで星を観たときのことは今でも忘れない。ナグラーと、それまで使っていたプルーセルの見掛け視界の違いは言うまでもないが、その真価を知るのはF値の小さな望遠鏡を使い始めてからだ。F8の望遠鏡では不満のないプルーセルだったが、F4の望遠鏡を使い始めると、にわかにその先を求めるようになった。なんでも試してみたい癖のある私はほんとうに数多くのアイピースをみてきたが、手元のアイピースケースはいつもテレビューアイピースが占有する。


また、はじめてイーソス13mmを使ったときのことも忘れられない。ずいぶん前のことになるが、南カリフォルニアのマウントピノスで、ベテランの観測家ドン・ペンサックといっしょに、買ったばかりのイーソス13mmを、ドン所有のトラス式ドブソニアンの1 1/4”接眼部につけ、ほとんどイーソス13mmだけでその日の夜空を満喫した。見掛け視界の違いをみてみようと、ナグラー13mmと比べてみたが、あのナグラーがプローセルのように感じてしまう。イーソス13mmの収差補正はナグラーレベルに達していながらも、100度の広い視野いっぱいに圧倒的なシャープネスが支配する。だからこそ、テレビュー社が13mm以外のイーソスを出すと発表したときは、私のなかで膨らむ期待を抑えることができなかった。さらに、このイーソスシリーズの記事を書かせてもらうこと自体、感動ものである。


イーソスシリーズはいずれもそつなく梱包されて到着したが、イーソス17mmだけは少しカタカタと内部でわずかな音がした。さっそく同社社長デビット・ナグラーに問い合わせたところ、工具を使うことなく簡単に直すことができた。これまでずいぶんテレビューアイピースを手にしてきたが、あえて問題といえばこれがはじめてのこと。とにかく、今回はじめて、テレビュー社の良質なカスタマーサービスを直に受ける機会に恵まれた。また、ニューヨークからこのハワイまで8,851キロを超える長旅で、この小さなガタを除けば、ほぼ完ぺきな状態で届けられていることも付け加えたい。過去、長距離を経て届いた商品が完全に破損していたことも決して少なくない。とにかく、空も晴れ、夕日もうすらいできたので、すばらしいイーソスシリーズを持って出かけることにした。月のない、気温が15度を下回る夜、聞こえてくるのはときより木々を揺らす風の音だけである。


ナグラー、パンオプティック、ラジアンのほか、広角アイピースをいくつかセットし、イーソスとの比較を試みようとしたが、実際はいずれもイーソスとは比較できない。イーソスの見掛け視界はとてつもなく広く、視野領域はナグラーアイピースの倍なので、リンゴとミカンを比べるようなものだ。この夜はほとんど、自作の口径40センチ、F4.5トラス式ドブソニアンに、テレビュー社のパラコアを装着して過ごす。パラコアは、パラボラを主鏡に持つニュートニアン特有のコマや像面湾曲を補正してくれる。視界がナグラーの倍もあるアイピースを覗いている感覚がなく、どのイーソスでも周辺まで完璧に収差が補正されている。視野中心と視野端で、星像はまったく変わりなく見える。多くの場合、視野周辺をみるには目を回すようになる。ただし、単眼の周辺視覚は50度なので、視野中心に目を集中すれば視野環も自然と見えてくる。ナグラーのときもそうだったが、自らの周辺視覚を意識するようになり、周辺視覚が観測に影響することがわかる。


低緯度の暗い夜空の下、イーソスで流した射手座にはほんとうに魅せられる。倍率が上がった分背景が暗くなったうえ、広範な見掛け視界100度のおかげで対象全体を一度にみわたせるため、手持ちの小さな屈折望遠鏡でも、B92のようにまっすぐ伸びた暗い星雲が突然「よみがえる」。お気に入りのオメガ星雲、干潟星雲, 三裂星雲も、以前はアイピースの絞り環で隠れていたが、膨大な数の星で囲まれていることを知らされる。また、これまでみたことのない網状星雲の姿も忘れがたい。M81/82のように複数の対象をひとつの視野内に囲み、より高い倍率で観ることで、詳細がさらに浮き立ってくる。二重星団はダイアモンドをちりばめたようにピンポイントに輝く。二つの領域をより高い倍率で囲むことができるため、これまでは片方ずつ「クローズアップ」してはじめて識別できた星々の微妙な色を、クローズアップすることなくとらえる。

イーソスは、視野内にとらえた惑星の大きさと形状が視野全域で変わらないように設計されている。Ruttenvan Venrooij共著の「Telescope Optics」で解説されている「角倍率」収差を補正することで実現。超広角設計のため直線の糸巻現象はあるが、ナグラー5_31mmやパンオプティック35mmの糸巻現象ほどはない。

イーソスシリーズの特徴を考慮すると、15mmというアイレリーフはとてもよい。メガネを掛けることのない私がイーソスを覗くと、「ブラックアウト」する直前で100度の見掛け視界全域をみわたせる。ナグラー5_31mm同様のゴム見口が装着され、折り返すことでメガネを掛けたユーザーにも使えそうだ。同社のホームページにも記載されているとおり、イーソスシリーズのアイレリーフは15mmに統一。私には快適な長さだ。さらに、乱視補正を可能にするディオプトロクスにも対応している。

こんどはバローレンズとの組合せを検証してみる。バローレンズではないが手持ちのパワーメイト2.5xとイーソスを併せてみたが、まるで一本のアイピースを覗いているような感覚。単に倍率が2.5倍になるだけでまったく問題を感じない。また、イーソスが廉価版のショートバローでも問題なく使えることは驚きである。ケラレもなく、15mmというアイレリーフもあいまって、ショートバローのあらも感じない。ここまでくると、イーソスの設計には文句のつけようがない。

イーソス13mm10mm8mm6mmはいずれも、1 1/4”バレルと2”バレルのいずれかを使うことができる。2インチバレルを使うときは、バレルの固定ネジを外す。暗闇のなかでアイピースを交換するとき、2”-1 1/4”アダプターを探さなくて済むので、個人的には2”バレルの方を使いたい。また、2”バレルの方が接眼部にしっかりと保持でき、アイピース交換でのピント修正も少ない。2”バレルにはアンダーカットが施され、接眼部の締めがあまくても安全だ。他のテレビューアイピース同様、イーソスの造りもすばらしい。

イーソスの10mm13mmが同焦点で、イーソス17mm21mmはナグラー5_31mmとほぼ同焦点である。

イーソスはみかけより軽い。収差補正レベルの高さからして、魅惑的なレンズ素材が非球面加工されているのではないかと思う。それぞれのレンジのレンズ枚数は8枚以下らしいが、そのレンズ構成を示す情報はない。いずれにしても、自作の大型ドブソニアンや小口径の屈折望遠鏡にどのイーソスを装着しても、バランスをとりなおす必要がない。重量の差に気をまわすことなく、観望し続けることができた。イーソス13mm10mm8mm6mmはいずれも双眼装置で使用できる。

イーソスのコーティングもすぐれものである。イーソスを少し横からみるとわずかに緑と紫がかった色がうかがえるが、まっすぐ覗けば色は完全に消えてしまう。夜望遠鏡に装着したイーソスからは、散乱光、反射光、ゴーストのいずれも感じられない。手持ちのナグラー5_16mmとイーソス17mm、ナグラー6_9mmとイーソス810mmの比較にはたっぷりと時間をとる。イーソスにはナグラーシリーズとは異なるコーティングが施されている情報は得ているので、それを自分自身で比較してみることにする。確かに、イーソスのコーティングはナグラーとは異なる。色にやや鈍感になりつつある私の目でも、恒星はわずかに白っぽくみえるも、恒星の色は容易に識別できる。いきいきとした白と落ち着いた見え方は詳細をかき消すどころか、よりはっきりと識別させてくれる。ある夜、イーソスで観る木星の縞は、ナグラーやその他のアイピースよりもわずかによい。コントラストの低い天体は、イーソスで覗いたときのほうがわずかにきわだつ。イーソス6mmと他社のワイドフィールド6mmを比較したときは、その差に驚く。広角アイピースは惑星観測には向かないという人もいるが、ぜひイーソスをお試しいただきたい。


次に、口径80mm F6の屈折望遠鏡にイーソスを装着し、月のない夜空で何度か観望してみる。この屈折望遠鏡はすぐれた光学系だがわずかに色づきがあるため、色の評価は控える。この屈折望遠鏡にイーソスを装着し、ほんとうに目を凝らしたとき、イーソスの視野がほんのわずかだけ湾曲していることが判る。いずれのイーソスでも、対物に起因する像面湾曲が視野周辺10度くらいのところからみえてくる。これが、イーソスに比べて見掛け視界の狭いナグラーでは、対物の像面湾曲がまったく判らない。もっとも、イーソスでみえてしまう対物の湾曲もよほど気をつけてみないと判らない。最初は視野中心の星像は視野周辺の星像と同じくらいシャープにみえたが、さらに観望を重ねると、屈折望遠鏡のデュアルフォーカサーの微動をわずかに回したところで視野周辺のピントが合う。イーソスはフラットフィールドなアイピースで、比較的高い倍率で広い実視界を実現するため、見掛け視界の狭い他のアイピースでは判らなかった対物光学系に起因する像面湾曲を感じる人がいるかもしれない。パラコアを併用した手持ちのドブソニアンでは、(焦点距離が長く湾曲量が少ないので)恒星は視野周辺までシャープに結像する。とりわけ、口径80mm F6の屈折望遠鏡に長い焦点距離のイーソスを装着したとき、対物の像面湾曲を視野周辺でわずかに感じる。私のように高齢になると以前ほど像面湾曲を吸収できなくなるが、このレベルの湾曲なら余裕で吸収できる人もいるだろう。

イーソスを手持ちのアイピースと比較していて気付いたことは、アイピースをイーソスだけでそろえると、アイピースの数をかなり減らせるということだ。イーソスの価格は高いが、6本の代わりに3本で済ますことができればトータルの価格は決して高くない。以前、望遠鏡を1台入手した後、アイピースを6本も買い増したことを思い出す。そのとき、アイピースだけは量より質であることを学習する。「とりあえず」手に入れたプルーセルは後にほとんど使わなくなったからだ。イーソスをそうしたアイピースと比べることができないのはもちろんだが、ナグラーでそろえた場合と比べても、アイピースの本数を確実に少なくできる。

結局、何年も前のことになるが、テレビュー社がはじめてナグラーを発表したときと同様、イーソスの誕生でまたアイピースのハードルが上がることになった。最初に100度の見掛け視界を体験したときはどうしても広すぎる感覚が禁じえず、見掛け視界の狭いアイピースを覗こうとするが、またイーソスを覗きたくなる。どの望遠鏡でも収差補正はほぼ完璧なだけでなく、惑星用アイピースとしても優れものだ。あらたに発売されるイーソス21mmの小さな射出瞳径と広い実視界は、とりわけ光害の夜空で観測を強いられるドブソニアンユーさーには大いに歓迎されよう。超広角の見掛け視界を誇るイーソスを使うことで、広い実視界を保ちながら、より高い倍率で観望することができる。こうした特徴はもとより、イーソスの外観や重量も画期的なメリットである。広角アイピースに興味があれば、単なる広角では表現できない、スーパーワイド、ウルトラワイド、いや「ハイパーウルトラメガワイド」のような新語をあてたくなるイーソスを手にするよう強くお勧めしたい。テレビュー社の言葉を借りれば、「マジェスティファクタ」といってもよい。とにかく、ここで述べたことはすべて「実際に体験したこと」である。

本記事を終える間際に、今度はイーソス21mmもレビューできることが分かった。まだ夜空の下でイーソス21mmを覗いたことはないが、また興味深いレポートができそうだ。その1本だけで一つの記事を書くに値するイーソス21mm。次号の記事に期待していただきたい。




テレビューイーソス 21mm

エリック・ウィルコックス_ASTRONOMY TECHNOLOGY TODAY


私は淡い天体のハンティングが誰よりも好きな熱心な天文ファンの一人だが、低倍率の広角アイピースで夜空を何の目的もなくながして観るのも、お気に入りの観望スタイルだ。なかでも、天体を「発見」した後、その天体が何であるのかを星図で確認するのが何よりも楽しい。天体の等級や大きさを手がかりに、必ずしもその夜観る予定ではない天体を含め、数多くの天体を楽しんでいく。こうして、少し怠け者の罪悪感を抱きながらも、それまで過小評価していた宝石を発見することも少なくない。


ファインダーではとらえることのできない天体に使うアイピースを選ぶときは、おそらく多くの天文アマチュアと同じように、ある決まりを適用する。すなわち、実視界が広く、視野周辺まで収差が良好に補正され、非恒星天体を識別できる倍率であることを前提にアイピースを選ぶ。その昔、広い実視界を得るためしばしば倍率を犠牲にしていた(低倍率を選ばざるを得なかった)。

あるとき、広視界の2”アイピースが最も良いと思い、テレビューアイピースを手に入れ始めた。いくつもの1 1/4”テレビューアイピースのほかに、パンオプティック35mmを所有することになった。このときは、伝説のナグラー5_31mmという究極のアイピース(別名「ザ・ターミナグラー」)が発売される前のことだ。その当時、パンオプティック35mmは確かに最良の選択肢だったが、私の目も徐々に衰えてきた。手持ちの短焦点ドブソニアン(F4.5、パラコアと併用するとF5.2)では射出瞳径が気になりはじめた。とりわけ、比較的明るい夜空の下、この短焦点ドブソニアンで2428mmのアイピースからスタートする。多くの場合、パンオプティック24mmをファインダー代わりに使い、1 1/4”アイピースだけで観望を済ませていた。パンオプティック24mm自体はすばらしいアイピースだが、40センチドブソニアンでは実視界が3/4度しかとれず、「きままな星空散歩」をこよなく楽しむ私には少し物足りない。それも、イーソス21mmの誕生ですべてが変わる。

見掛け視界が広ければ、広い実視界を保ちながらも、倍率を上げることができる。たとえば、見掛け視界100度のイーソスの場合、パラコアを併用した手持ちの40センチドブソニアンで100倍になる。この高い倍率で、このドブソニアンの最も広い視界を実現できる。この実視界を見掛け視界50度のプルーセルで得ようとすると、40mm2インチアイピースを使うことになる。倍率が52倍になってしまうだけでなく、射出瞳径が7.7mmになり、私のドブソニアンでは使いものにならない。同じドブソニアンで68倍、実視界1.14度、射出瞳径6.0mmという快適さを提供してくれるあのナグラー5_31mmと比べても、イーソス21mmなら、倍率はさらに高く、見掛け視界領域が倍になり、ほぼ同等の実視界、わずか4.0mmの射出瞳径、ということになる。イーソスが非凡かつ革新的なアイピースであることは明らかで、同じ実視界を前提にすれば、どのアイピースと比べても、より高倍率で、より暗い背景をもたらしてくれる。

ここまでは自分自身わくわくした数字を並べてみたが、イーソス21mmで体験した星空について語りたい。まず、イーソス21mmはどの望遠鏡に装着しても、そのすぐれた性能をいかんなく発揮するだけでなく、使いやすいアイピースでもある。重量はわずか1kgなため、他の重量級の2インチアイピースのような重量バランスの問題がない。私のように大きなドブソニアン使いには、重量バランスは常に重要な要素だ。アイピースを取り換えるごとにカウンターウェイトを調節し、高度軸が動いてしまうことを気にかけることなく観望していたいものだ。

イーソスのアイレリーフは私にとって快適な15mmだ。広い視野を覗くために目をアイレンズに押しつける感覚もなく、アイレンズから離れすぎてブラックアウトを起こすこともない。15mmのアイレリーフはちょうどアイガードに触れる長さで、落ち着いて観望することができる。メガネを掛けたひとのために、ナグラー5_31mmやその他のテレビューアイピース同様、折り返し式のソフトアイガードが装着されている。21mmは、他のイーソス同様、コーティングがすばらしく、角度をつけたときにだけ、わずかに紫/緑がかってみえる。イーソスシリーズのコーティングは、旧ナグラーのコーティングとはわずかに異なる。イーソスの場合、やや冷たい感じを受け、白がよりはっきりする。同時に真の恒星色をみせてくれる。冷たい感じはわずかな違いだが、天体がきりりと引き締まって見えることが多い。


ハワイにある自宅の裏庭からは暗く、きれいな夜空が望め、手持ちの40センチドブソニアンにイーソス21mmを装着したとき、これまでにない最高の観望を体験。見掛け視界が言い表せないほど広く、視界がどこまでも広がっていく感覚である。2インチのワイドフィールドアイピースと比べても、イーソスはまったく別世界を体感させてくれる。イーソスを双眼に装着し、まずは片目を手で塞いで観る。その後、目を塞いでいた手をどかし両目でみたときの「驚き」はまさに劇的である。M42のような代表的な天体も、より広い視界と高い倍率があいまって、広い領域を一度に見渡すことができるだけでなく、より詳細にみえてきて、自分のなかのM42のイメージを新たにした。M81/82のような複数の天体を囲んで観る楽しみも増す。ぼんやりとしたしみのような集まりでなく、いずれの天体も極めて詳細までとらえることができる。イーソス21mmを介しまったく異次元の星野に出会い、北半球低緯度の地平線から立ち上がり、地平線まで沈み込む天の川を探索するという魅惑的な体験を享受する。M57のように小さなかたまりの惑星状星雲を気軽に観るときでも、アイピースを交換する必要はない。前記事でイーソス17131086mmについて述べたことだが、イーソスでアイピースをそろえれば、必要なアイピースの数が少なくて済む。私の40センチドブソニアンの場合、イーソス21138mm3本で十分。もちろん、手持ちの望遠鏡と、必要とする倍率により別の組み合わせもあろう。いずれにしても、イーソスはほかのどのアイピースよりも多才である。


周辺の収差について言えば、私の眼は年齢とともに、20代、30代の私のように対物の像面湾曲に適応できなくなっているが、イーソス21mmが繰り出す驚異的な広さの見掛け視界100度でも、対物の像面湾曲はほとんど感じることがない。対物の像面湾曲をわずかに感じたのは口径80mm F6の屈折望遠鏡を使ったときで、口径40センチのドブソニアンで認識できたのはごく周辺のほんのわずかだけ。非点収差のない2つの望遠鏡でイーソス21mmを試したが、糸巻現象も驚くほど少ない。明るい恒星なら絞り環から20%あたりから横方向の色をわずかに感じるが、ナグラー5_31mmでみる色よりもさらに軽微。目立った反射光、散乱光、ゴーストは皆無で、視野からわずかに外れた明るい恒星の光も影響しない。星は小さく結像し、望遠鏡のピントも容易に合わせることができる。しばし思うことは、良いアイピースの選び方は、とやかく言わずに、まず覗いてみることだ。イーソス21mmは他のアイピースにはないものを感じる。私の観望体験を広げてくれたアイピースであり、これ以上どうしろといのかという仕上がりだ。

視野絞り環の直径は公称36.2mm、実はナグラー5_26mmのそれを上回り、パンオプティック35mmと比べても数ミリ小さいだけ。イーソス21mmは、ナグラー5_31mmおよびイーソス17mmとほぼ同焦点設計。くわえて、他のイーソス同様、テレビューディオプトロクス対応で、乱視に悩むユーザーにも配慮されている。

イーソス21mmは星空観望を満喫させてくれるだけでなく、その外観も楽しめる。他のテレビューアイピース同様、品質と造りはすばらしい。2インチのクロムバレルには接眼部から不用意にずり落ちないようセーフティアンダーカットが施され、アイピースボディを包むラバーグリップのおかげで、手袋をした手でも持ちやすい。また、ボディ形状も持ちにくいほど大きくもない。手の大きな私でも、ナグラー5_31mmを持つときはいつも両手を使うが、イーソス21mmならそんなことはない。


要するに、イーソス21mmは本質的にパーフェクトなアイピースである。いくらテレビュー社とはいえ、イーソスのレベルを超えて設計できるとはとうてい想像できない。イーソス21mmは、間違いなく、私がこれまで使ってきたアイピースのなかで最高の2インチ広角アイピースだ。これまではすばらしい2インチアイピースだと思えていたものも、今となっては「グッドな」アイピースにすぎない。私には、イーソス21mmは超えるべきバーを上げたとしか言いようがない。とにかく、自分自身で覗くまではその真価を理解できないアイピースだろうし、一度覗いてしまうと手にいれたくなるに違いない。






超広角を高倍率で実現するイーソス...ステファン・ジェームス・オーメイラ


テレビュー社の新型アイピースをフィールドテストする/米国天文誌アストロノミー『機材レビュー』


 見掛視界100度のイーソス13mmのことを耳にし、それに何の意味があるのか、どのような力が潜んでいるのかは、実際にイーソスを私が所有する同社製NP-127 F5.2屈折望遠鏡に装着してみてはじめて分かった。まるで不思議の国のアリスのようにガラスのなかへと吸い込まれ、未知の星空の世界を探訪することになる。「これまではとまったく違う」ことが分かった。


天の窓

 さそり座の球状星団M4(5.6等)からはじめる。M4を導入するため、NP-127で30倍、実視界2.2度を実現するパンオプティック22mmを使う。

 パンオプティック22mmでみるM4は、やわらかく丸く広がっている。あかるいが、ぼんやりとした星団の「傷あと」が北から南に走る。視野東端にはオレンジ色のアンターレスが鎮座、北西の等距離にはシグマScorpiiが輝く。

すべての対象が乳白色の星の光を背景に輝き、ところどころ淡い星雲の筋がこするようにみえている。まるで芸術家の筆からかもし出されたかのようである。

 アイピースをイーソスに取り替えてみると、にわかにとまどう。視野全域はまったく同じ1.9度なのだが、M4をおよそ倍の倍率でみていることになる。同じ球状星団がこんどは、くっきりとした暗いレーンで囲まれたあざやかな恒星からなる月の大きさになる。中央のあわい「傷あと」は、球状に輝くあわい恒星を背景に、シャープに結像した10〜12等の恒星になってみえてくる。

 パンオプティック22mmでは容易に認識できなかった外側を取り巻く光輪の姿も、球状星団M4の中心まわりに、一連の星の光が長く平行に密生し、太い放物線が形成されているのが判る。暗い背景により、M4だけでなくNGC6144の明るさも助長され、星の光で照らされる不規則な終端と、わずかに凝縮されたコアのあるはっきりとした球状星団に変わる。

 広視界で拡大された対象の「WOW」係数は、「あわく不明瞭な対象」を観測したいアマチュアならだれもが高く評価する。さらに、イーソスは、とりわけ幅が10′を下回るディープスカイ対象を見つけ出して確認するときも時間の節約になる。

 たとえば、白鳥座にある幅27″のまばたき星雲(NGC6826)など。22mmのアイピース(30倍)なら、実際、星の光にしかみえないが、イーソスを装着し倍率を上げることにより、小さく広がるディスクのような星雲であることが判ってくる。

 従来のアイピースなら視野外にある対象も、イーソスなら有効視野内に飛び込んできて、比較対照できるメリットを感じる観測者も数多く出てくるだろう。また、コメットハンターにしても、より広い領域を高い倍率でカバーできるため、淡い彗星をとらえるチャンスが高くなる。

   

著者所有のパンオプティック22mmでプレアデス全体の明るさは増すが、イーソスでは23 Tauri周辺の「ぼんやり係数」がなくなってしまう。その周辺に稲妻のごとく走るガーゼのパッチのような星雲(メローぺ星雲)は、南(NGC1453)に押し流されるブライダルベールから、分離する。


モータードライブがいらない!
 モーター駆動の架台を持たない私は、惑星を高倍率でのぞくと、狭い視野をすぐに消えてゆく対象を中心にいくどとなくもってこなければならない。こんなとき、イーソスの広い視野があると、観測時間も必然的に長くなる。

たとえば、2007年12月、火星が対衝をむかえたこと、私の口径127mmの屈折望遠鏡では150倍から250倍で、赤い惑星の詳細を十分得ることができる。そこで、イーソスを3倍バローレンズと組み、166倍、満月を超える大きさで快適に観測した。

 月観測を好むアマチュアにとって、シャープな詳細を月面いっぱいにとらえるイーソスは、思わぬメリットをもたらしてくれる。月のディスクを三次元の曲線でながめることができる。イーソスで月をのぞくと、月の軌道上から月の丸い地平線をながめているようだ。倍率が低く、視野が狭ければ、こうはいかない。


唯一無二の存在か?

それでは、イーソス以外のアイピースが不要になるかというと、決してそんなことはない。惑星やディープスカイ対象を観測するには、166倍を超える倍率が必要になることもある。シーイングがすばらしくよいある夕方、口径1インチにつき75倍まで倍率を上げる。通常の上限は口径1インチにつき50倍だが、実際、明るい惑星状星雲なら1インチにつき100倍まで上げてとらえることもできる。 最後にまた、M4とその周辺の話をしよう。2つの球状星団の比類ないみえ味をもたらしてくれるイーソスだが、限界もある。たとえば、パンオプティック22mmを通してみるM4を包むみごとな天の川などは、倍率を上げるとその醍醐味が損なわれてしまう。

 イーソス体験を制約するのは、まさに使う人の想像力そのものである。沈みゆく太陽の青い閃光をとらえようと、著者自らが企てたプロジェクト。同プロジェクトは、2007年5月24日に成功する。この写真は、著者所有の30mmレンズを付けたキャノン20Dを、イーソスに装着し、太陽のディスクがハワイ、マウナロア火山のふもとに沈みはじめる最後の瞬間を撮影したもの。


  

 2007年、11、12月、COMET 17P/HOLMES(ホームズ彗星)は、満月の大きさを超えて現れる。著者所有のパンオプティック22mmでみた同彗星もわるくないが、彗星の内部構造をさぐるにはアイピースを変えなければならない。イーソスを使うと、彗星の幅は2.5倍に広がり、その詳細もよく判る。


ヌケのよさにおいてもイーソスは比類ないが、オリオン星雲(M42)のように極めて詳細に観察できる対象や、淡くひろがるM4まわりの淡い星雲などは、イーソスよりパンオプティック22mmのほうが観やすい。2度にも及ぶプレアデス星団をつつむ広大な星雲のように、不定形に流れ輝く繊細な対象は、光を凝縮する低倍率でとらえるのがベストだ。 とはいえ、テレビュー社の新型アイピース『イーソス』の性能は素晴らしい。高倍率と広視界があいまって、天文仲間とも新たな輝きを分かち合い、無限の可能性を秘めた星空探訪に導いてくれるだろう。



テレビューイーソス


今度これより広い見掛視界のアイピースを出すときは、テレビュー社にはバックミラーを付けてもらいたいね!...Vic Menard


自らテレビュー社のナグラーやパラコアの唱道者である私は、イーソスを、現代のF値の小さなニュートンと組み合わせたとき、他のアイピースではまねのできないシナジー効果、すなわち、光学性能の向上をみる。

はじめてナグラーアイピースを購入したのが1987年のテキサススターパーティでのこと。オリジナルのナグラー13mmにより、私がそれまで抱いていた広角アイピースの概念は完全に覆された。その2年後、同じテキサススターパーティでは、トム・クラークといっしょに初期のパラコアをためしたが、私の口径490mm F5、トムの613mm F5のドブソニアンではいまひとつ決定的な効果はみいだせない。それか10年後、当時の490mmを売却し、スターマスターの539mm F4を手に入れ、最新のパラコアとナグラー5_31mmとの組み合わせで、究極の「リッチェストフィールド」を堪能する。

この何年かで、私のオリジナルナグラーやナグラータイプ2は、タイプ5とタイプ6に入れ替わり、スターマスター539mmもスターストラクチャー539mmに代わった。そして、20074月、Northeast Astronomy Forumでなにやらスペシャルなアイテムが発売されるといううわさを聞く。428日、見掛視界100度のイーソス13mmが発表されることになるが、またしても、あの「テレビュー社」から。

同年6月にはテキサススターパーティやRTMCからのフィールドレポートがあがり、数日後には、クラウディナイトのオンライン会議室でレビューを拝見。その後、イーソスの市場価格が決まり、米国中の選ばれし「テスター」達がイーソスを評価。そして、スカイ・アンド・テレスコープ誌はイーソスの光学性能にファイブスター「知覚的に完璧。意味ある改善の余地がない」の称号を与える。そのときはまだイーソスをのぞいてない私だったが、すでに手に入れることを決めていた!

10月10日から14日まで、PSSG(ピーチ・ステート・スター・ゲイズ)に参加。初イベントが、アトランタ州東約90マイルにあるデーリック・アストロノミー・ビレッジで開催。その日はすばらしい夜空に恵まれる。だれかがイーソスを持ってくるといううわさを耳にした私は、ほんの数分でもいいから「イーソスタイム」を体験できないかとその当人を探す。幸い、イーソスオーナーのジョンとクーエンは、私が買ったばかりの口径539mmスターストラクチャードブソニアンに興味を示し、いっしょに何時間も観望を楽しむ。さらによかったのは、双眼装置ファンの両人はイーソスを2本も手に入れていたことだ。みんな疲れ果てるまでイーソスの双眼視に没頭。最も印象に残ったのがM57。ほんとうに自分自身がその星雲のなかに浮遊している感覚、望遠鏡の存在すらすっかり忘れてしまう!帰宅するとすぐにイーソスを注文。少し早いが妻からのクリスマスプレゼントだ。実際はクリスマスに間に合わなかったが、ウインター・スター・パーティの前に入手できだ。

2008年のウインター・スター・パーティでは、地元の天文クラブの一員、ジョンといっしょに過ごす。彼は先のPSSGでも会っているが、私同様、すぐにイーソスを注文していた。PSSGでのイーソス体験を再現したかった二人はマイク・ハービィの口径686mmスターストラクチャーに近づき、すぐにビデオを取り外して、自分たちの所有するイーソス2本を双眼装置につけてみることを促す。この「歴史的体験」を経た私は、この記事を書くことになる。その後、シャーロットの天文クラブの仲間とも、私の口径539mmスターストラクチャーを介し、こんどは単眼ですばらしい夜空を満喫。散光星雲(NGC24672359)、銀河(NGC3115456546315128M51M83)、球状星団(M5M13M92、ケンタウルス座オメガ星団)、惑星状星雲(NGC2437244031323242)、散開星団の数々、炭素星やカラー二重星を数個、もちろん、土星も見逃すわけにはいかない。ただし、ここウインター・スター・パーティでは、よりシャープネスを追求するため、ナグラー6_7mm370xの土星を楽しむ。今年の4月に開催されるCAAC主催のサザン・スター・パーティでも、イーソスが話題になることは必至だ。

こんどは、私自身の「イーソスタイム」を振り返りながら、個人的な観測体験をいくつか述べてみよう。

イーソスについてはあまりにもエモーショナルな表現をしてきたので、より冷静かつ、客観的にコメントする必要があるが、正直言ってその自信はない。イーソスの見掛視界100度と、驚くべきヌケのよさ、ピンポイントに結ぶ星像があいまってもたらす、そこに引き込まれるような体験は、望遠鏡にIMAXを突っ込んだようなもの。簡単にいえば、比較するものがない。実際にのぞいてみないと、その違いはとても想像できない。アル・ナグラーはそれを「マジェスティ係数」と称し、私は「テレビュー・アドバンテージ」と呼びたいが、時が経つにつれ評価は高まるばかりだ。

次に、イーソスのアイレリーフ(15mm)と、視野全域を見ることができるかどうか、について述べたい。PSSG(ピーチ・ステート・スター・ゲイズ)でイーソスを最初に体験したときは、ナグラーの見掛視界である82度くらいから先はまだ覗けていなかった。ところが、瞳の位置を完全に合わせたとき、イーソスの視野終端でシャープに結像する星をはっきりと確認する。いままで、自分の望遠鏡の視野の一部しか見ていなかったことが分かる。さらに、視野全域で星像がみごとに分解しているため、十分な詳細を視野全域でくまなく厳しい目で評価することができる。ウインター・スター・パーティでは、マイクといっしょに、ナグラー20mmとイーソス13mmを比較してみて驚いたことがある。両者の実視界は0.1度しか差がないのに、イーソスの倍率は2倍だ! 詳細とコントラストの向上は明らか、マイクと私はそのすごさの前に圧倒された。

最後に、イーソスを2本手にいれて双眼装置で楽しむこともできる。あまり明るくない対象を観るとき、口径をできるだけ大きくして双眼視を試してみたい。私の539mmの場合、光がまるで望遠鏡からあふれ出ているよう。マイクの686mmなら、イーソス+双眼装置のコンビネーションをさらに余裕で楽しめる。ここでひとつ「警告」しておきたいことがある。この双眼+イーソス体験は、視野周辺が既存の領域を超えどんどん広がり、本当に望遠鏡が消えてなくなるような感覚に陥ってしまう。いちどみたら絶対に手放せなくなる。忘れえぬ体験になるだろう!

マジェスティ係数のビジュアル化: 上の写真は、イーソス13mmとプルーセル26mmで同じ実視界の二重星団をとらえたものです。イーソスの倍率係数は2倍、コントラスト係数も2倍。したがって、イーソス13mmのマジェスティ係数は、プルーセル26mmのそれと比較して8倍に向上します。たとえば、343mm F4の望遠鏡で実視界0.9度を得るには、イーソスなら射出瞳3.2mmの109倍、一方、プルーセル26mmだと射出瞳6.5mmの55xとなります。




"マジェスティ係数" 概要

より広い見掛け視界(ディープスカイをより詳細にとらえるため)を、より小さな射出瞳径(より暗い背景で、より淡い恒星をとらえるため)と合わせ得ることのできる劇的な効果を表す係数として、「マジェスティ係数」を提唱します。具体的には、見掛け視界は異なるが、絞環の径が同じ(すなわち実視界が同じ)任意のアイピース2個比の三乗を「マジェスティ係数」と定義します...アル・ナグラー

例)  (100°/70°)3 = 2.92 "M.F."     or     (70°/50°)3 = 2.74  "M.F."    or    (100°/50°)3 = 8  "M.F."




イーソス アイピース


スカイ・アンド・テレスコープ、テストレポート ――― Dennis di Cicco

3桁の視界


ディープスカイ観望を変えるテレビュー社の新しい13mm

今年7月ディオプトロクスのテストレポートでは、テレビュー社が積み重ねてきた広視界観望の長い歴史に触れた。テレビューの創設者でもあるアル・ナグラーのことについて考えていた私は、「広視界観望」というテーマについて彼からはまだ最後のことばをきいていないことに気づく。

まもなく、テレビュー社から、極めて広い見掛け視界100°のイーソス13mmが登場。他の天体用アイピースとくらべても、直径で20%上回り、視野領域は50%広い。光学の世界で、このような驚くべき偉業を成し遂げたのがイーソスである。

テレビュー社はすでに、ニューヨーク、テキサス、カリフォルニア、インディアナのアマチュアには、イーソスのプリプロダクションモデルを披露。体験した多くのアマチュアに好評を博したイーソスは、その後の設計変更なく、10月の発売に向けて生産に入る。弊誌には、最初に作られたイーソスが貸与された。生産モデルとの違いは、バレル面の彫刻と形状だけ。

高く評価できる

評価できない

前例のない見掛け視界100°

軸外、軸上のすばらしい像

多くの場合、双眼装置には大きすぎる(最大眼幅65mm


1981年当時、前例のない見かけ視界82°を誇る初代ナグラー13mmは、その名を世界にとどろかせた。かつてアル・ナグラーはより広い視界の設計を手がけてみたこともあるが、このアプローチが現社長であり、アル・ナグラーの長男デビッドにより再度行われたのはごく最近のこと。デビッドによれば、「イーソスの光学設計は、永年テレビュー社に勤めるポール・デレカイの才能と融合」、「テレビュー社の名にふさわしい見掛け視界100°のアイピース」とのこと。

アル・ナグラー、デビッドとも、イーソスのレンズ構成については何も語らない。しばらくは、イーソスを覗いた人に評価してもらいたいそうだ。

大きさの割には軽いイーソスを手にすれば、内部のエアースペースが大きいことがわかる。実際、イーソスの重量590gは、テレビュー社の現行ラインナップのなかで6番目だ。

イーソスが届いた最初のクリアの夜空のもと、たそがれどきの空に明るい恒星が現れる前、TV-NP127(口径127mm F5.2)屈折望遠鏡で観望を開始。倍率は50倍、およそ2度の実視界をながすと、シャープで、ひずみも色もない水星のきらめく半月をとらえる。時が経ち夜空の背景が暗くなると、ゴーストや散乱光がないことも確認できる。

次にふたご座に散開した恒星を入れる。イーソスの視界はとても広いので視野全域を見渡すため眼球をぐるりとまわすと、いきなり周辺までピンポイントの恒星が飛び込んでくる。周辺までかなり厳しい見方をしたが、視野全域で明るくシャープな恒星を確認できる。

視野中心と周辺のピント位置のごくわずかなズレに気づくが、TV-NP127is F5.2のレーザーシャープ、対物の比類ないフラットネスを前提に語れば当然のこと。焦点調整能力の高い私よりも若いひと、像面のフラットでない望遠鏡、よりF値の大きな望遠鏡なら、このズレを識別するのはより困難だろう。いずれにしても、イーソス + TV-NP127isでみた星の輝く夜空は「すごい」としか言いようがない。

青白く光る月の突き出した部分の色縁がなく、私が所有するオリジナルナグラー9mm、ナグラータイプ2の12mmと比べ、月のディスクはより白く見える。その月を視野周辺に移動したとき私の目が視野中心にないと、月の縁には細い緑の線が見え隠れする。月を視野から外したとき、恒星では気づかなかったごくわずかな糸巻き現象がイーソスの光学設計に残っていることがわかる。アイレリーフは15mm、「インゲン豆現象(目位置を動かすと動く黒い影)」はない。イーソスは昼も夜も楽しめるアイピースだ。

S&T評価

光学性能

★★★★★

★★★★★

知覚的に完璧。意味ある改善の余地がない。

★★★★

通常の使用では欠点が分からない。

★★★

問題はわかるが、性能に悪影響を及ぼすことはない。

★★

通常の使用で問題がわかり、性能にも影響がある。

問題が大きく、使用に耐えない。



要約

1981年登場のオリジナルナグラー13mm同様、革命的アイピース「イーソス13mm」。今日の広角アイピースのニュースタンダードが確立された。前例のない100°という見掛け視界にもかかわらず、軸上の性能も他のアイピースにひけをとらない。


イーソスの場合、100°という見掛け視界を実現しながらも、軸上の性能は犠牲にしない。同じ焦点距離の高性能アイピースとも比較したが、軸上の性能でイーソスを上回ったアイピースはない。ハイコントラストでゴーストのないイーソスは、超広角設計なりの価格をいとわなければ、惑星用としてもすばらしい。

イーソス + TV-NP127(口径127mm F5.2)屈折望遠鏡での観望は実に楽しく、中〜大口径の反射望遠鏡で広角アイピースをのぞいてみたいアマチュアは少なくない。次に、30センチF5のニュートン鏡筒でイーソスをテストする。計算上、倍率は118倍、実視界0.84度も、月の全景を十分にとらえることできる広さ。

概要 − ペルセウスの二重星団の写野1.8度のなかに描いた円は、それぞれ、30センチF5鏡筒に装着した見掛け視界100°のイーソス13mm、見掛け視界82°のオリジナルナグラー13mm、見掛け視界50度のプルーセル13mmでみたときの円を描いてみた。


思ったとおり、このままではF5ニュートン鏡筒のコマ収差がめだつ。テレビュー社のパラコアを加えれば、星像は視野周辺までピンポイントだが、倍率は15%アップの136倍に上がり、視野は0.72度と狭くなる。どちらがよいとも言えないので、パラコア無しのシステムとパラコア付きのシステムをそれぞれ同じだけ運用してみる。

30センチ鏡筒の場合、通常、スターホッピングには広角アイピースを使い、詳細をみるときには高倍率アイピースを使うが、イーソスはその両役を一本で果たしてくれる。スターホッピングに十分な広さがあり、かつ、淡い恒星を浮き立たせ、銀河や星団の詳細を分解するだけの倍率がある。

心ときめく体験をした。ヘラクレス座の球状星団M13は、何千もの恒星が不規則に広がる天球のように見え、曲がりくねった弧を描いて外に広がる。M13は、球状星団を見張る2つの7等星を容易に包む広視界のなかに浮かぶ。

イーソスに代わるアイピースはない。明日、30センチ鏡筒とアイピース1本で砂漠の中で孤立することになれば、私は迷わずイーソスを持っていくだろう。

1981年登場のオリジナルナグラー13mm同様、革命的アイピース「イーソス13mm」。今日の広角アイピースのニュースタンダードが確立された。今イーソスを手にしてスターパーティに出かければ、長蛇の列ができること請け合い。

ところで、今月をもって本誌でアル・ナグラーを紹介してから50年という年月がたつ。195710月号の590ページには、バーモント州、ステラファンに展示したアル・ナグラー自作の20センチニュートンを掲載している。いまから50年後、「ナグラー」の名がまだ本誌にあったとしても驚くことはない。




米国アマチュアサイト「クラウディーナイト」より


2007年、2万人のリーダーズチョイス


いま天文の世界では、テレビュー社のイーソスのことを知らないひとはいないといってもよい。この新型アイピース「イーソス 13mm」は見掛け視界が三桁の100°というだけでなく、その視野は驚くほどフラット、かつ、収差もとてもよく補正されている。率直に言って、この数字が誇大広告のたぐいでないことは明らか。見かけ視界は同社のナグラーシリーズより18°広いだけであるが、視野領域はナグラー13mmと比べても50%広く、これがわたしたちを新たな次元に導いてくれる。82°でも少しもかまわないと思うかもしれないが、「百聞は一見にしかず」、星祭などでイーソスを体験してみることをお勧めする。テレビュー社に栄光あれ!



SkyNews製品レビュー by Todd Carlson



くっきりした見え味


1982年、光学系の権威、テレビュー社のアル・ナグラーは、画期的な見掛視界82°の アイピースで天文アマチュアを大いにうならせる。そしていま、前例のない見掛視界100°のイーソスは、ただ広いだけでなく、その視界全域でシャープネスを実現したアイピースとして頂点に立った。もちろん、他の高級品同様、イーソスの価格帯はこれまでになく高く、初心者用の望遠鏡をも凌ぐ。ただ、どの世界でもナンバーワンは常に注目を浴びるもの。



広視界アイピースのブレークスルー


視界は広いほうがよいか。ことアイピースに関しては「イエス」、ただし、視野全体でシャープに結像していればの話。ここでは、テレビュー社のイーソスがその設計にたがわぬ性能に達しているかどうかをテストした。

はじめて購入する望遠鏡には、見掛視界が50度ほど、プルーセルなどのアイピースが二三本付属しているが、ほとんどの場合、まずそこから観望をスタートすることになる。こうしたアイピースは実用向きで、天体の見え味もシャープだが、より見掛視界の広いアイピースを一二本追加することで望遠鏡の性能をアップさせることができる。


見掛視界とは、アイピースを覗いたとき瞳に照射する円の幅。天体用としてはあまり使用されないズームアイピースはさておき、一般的に、アイピースの見掛視界は一定なので、その数値がアイピース自体に刻印されている。焦点距離は同じだが、見掛視界の異なる2つのアイピースを比較すると、倍率は同じでも、見掛視界の広いアイピースのほうがより広い視野、すなわち、実視界を得ることができる。ディメリットとしては、見掛視界を広くし、かつ、像を視野周辺までシャープに結像させるには、値段が高くなることだ。


超広角アイピースの時代は、1980年初頭、アル・ナグラーが開発した画期的なナグラーアイピースと伴に到来。見掛視界82°のナグラーアイピースは、見掛視界50°のアイピースに比べて2.7倍も広い視野をもたらし、以後、四半世紀のあいだ、広角アイピースの新たなるベンチマークとして君臨する。

2007年、毎年開催されるNorth East Astronomy Forumとニューヨーク州サファンで開催された展示会で、テレビュー社は見掛視界100°のアイピース「イーソス」を披露。我SkyNewsにも、イーソス13mmが1本評価用に貸与された。

最初にナグラーを覗いたときの驚きは今でも記憶に残るが、長い年月が経ち、いまでは見掛視界82°になれてしまっている。問題は、82°から100°の違いがいかほどかということ。端的に言えば、そこには「極めて大きな」違いである。

自前のテレビュー76_F6.3アポ屈折望遠鏡にイーソス13mmを装着すれば、実視界2.7度を37倍で見せてくれる。恒星は端から端までピンポイントに結像。軸上、軸外とも、収差はまったく感じない。イーソスを外して見掛視界82°のナグラータイプ6_13mmに戻すと、さすがに落胆せざるをえない。イーソスにより50%増えた天空域の違いは明らか。さらに、イーソスがもたらす広い視界は、より楽しく、リラックスした観望を提供してくれる。

やたらと視野の広いアイピースを覗くとき、視野全域が見える位置に目を置きにくいこともある。はじめてイーソスをのぞいたときもブラックアウトをわずかに感じたが、イーソスの「スイートスポット」になじむのにそれほど時間を要すことはなく、15mmある快適なアイレリーフもあいまって、問題はすぐに解消した。

最初は目をイーソスのアイガードにしっかりと押し付けないと、視野全域をとらえることができなく戸惑っていたが、これもアイガードを折りたたむことで解決。ありきたりな表現だが、「目の前からアイピースが消え、広い窓から深遠な宇宙をのぞいている」かのような感覚に陥る。 望遠鏡のF値が8より小さければ、ほとんどのアイピースで視野周辺までシャープな星像を楽しめるだろう。収差補正レベルの高いアイピースの真価は、300mm F4.8のニュートン鏡筒などのF値の小さな望遠鏡で発揮される。

このきびしいテストにもパスしたイーソスは、F4.8のニュートン鏡筒でもほぼ視野全域でシャープな星像を結ぶ。F4.8ニュートンの視野周辺にはコマ収差が生じるが、この点でも、イーソスはナグラー6_13mmを凌ぐ。

イーソスはナグラー6_13mmに比べてかなり大きいが、590gという重さは驚くべき軽量といえる。

イーソスは「必須」のアイピースか? 使うひとによって、「イエス」ということだろう。大口径ニュートン鏡筒のユーザーは、とりわけより広いディープスカイを享受できる。ただし、前述のとおり、一度イーソスをのぞいてしまうと、他の広角アイピースの視野が圧倒的にものたりなくなってしまう。

この記事はイーソスを、すでに好評のナグラーと比較することを意図したものではないが、ナグラーアイピースが25年ものあいだ広角アイピースの基準となり続けたいま、イーソスの引き合いに出されることも当然のこと。

広角アイピースのハードルをまた一段上げたのが、テレビュー社の「イーソス」である。

著者プロフィール: 天体観望・撮影にも熱心なオンタリオ州在住のアシスタントエディタ




眼前に広がる宇宙...東京都 松谷様


10月5日

 テレビューイーソス13mmを入手した後初めての晴天に恵まれ、さっそく奥秩父に出かけた。いつもの観望地に到着してすぐにテレビューNP101にイーソス13mmをセット、アンドロメダ大星雲をファーストライトの対象に選ぶ。続いてM33、網状星雲、M29、NGC6946と6939の系外星雲と散開星団のペア、30・31・32Cygを含む星野、北アメリカ星雲、そこからM39を経由してケフェウス・とかげ境界付近に至る銀河(天の川)、ガーネットスター、δCep、カシオペア座の散開星団9個、ニ重星団、St2、M34、NGC891、NGC253、NGC288、NGC247、M74、M77を観望。ここで少し倍率を上げてみたくなり、NP101と並べて組み立ててあったビクセンED115Sにイーソス13mmをセット。68倍にしてM74、M77とその周辺の小さな系外星雲5個、NGC254・288・247、M33、NGC891を再度観望。そしてNP101では見ていなかったNGC7662(青い雪玉)、NGC7640、M76を観望した。

 イーソス13mmの見かけ視界100°の視野は、「覗いている」という感覚が全くない。目の前すべてが星空である。そして見え味はシャープネス、コントラストともに広角化の影響を全く受けていない。さらに、NP101との組み合わせでは、星はほとんどピンポイントのまま視野から去っていく。ビクセンED115Sだと視界最周辺部でわずかに星像が肥大するが、これは注意をして見ないと気がつかない程度である。

 NP101との組み合わせで42倍、これは10cmとしてはコントラストが上がり微光星や星の色や星雲の濃淡が見やすくなる倍率である。それで実視界が2°を超えるのだから、S&T誌のリポートで30cmドブソニアンに使用してスターホッピングと詳細観察の両方をこなすと評されたのも十分に頷ける。

 この夜は、望遠鏡のアイピースを取り替えていろいろな倍率で見るのではなく、アイピースはイーソス13mm1個で、鏡筒のほうを2台使って星空を楽しむという、40年星を見てきて初めてのことを行うことになった。

10月6日

 新潟県魚沼に行った。この夜も前夜と同じく鏡筒はNP101とビクセンED115Sの2台を組み立てた。魚沼地方の空は奥秩父よりさらに1ランク上で秋から初冬の対象を堪能することができた。

 まずED115Sにナグラーズーム2〜4mmをセットして、天王星・海王星を楽しんだ。イーソス13mmのリポートを書いているが、NP101とビクセンED115Sとナグラーズーム2〜4mmの光学性能のすばらしさも付記しておきたい。

その後は前夜と同じようにイーソス13mmをNP101とED115Sに交互にセットして星雲星団を楽しんだ。観望対象は、観望時間が前夜より1時間ほど後にシフトしたので、前夜見た対象のうちで夏から初秋のエリアのものは除外。反対に前夜見ずにこの夜に見たのは、天王星・海王星の他にはNGC7293(らせん星雲)、ペルセウス座の散開星団3個、IC342、IC356、NGC752、プレアデス、M35、NGC2158、オリオン大星雲とその周辺の星雲星団と重星、火星、NP101とナグラー5・31mmの組み合わせによるカリフォルニア星雲だった。

 接近したM35と火星もこの夜の見ものだった。4日に最も近づいていたM35と火星は、この夜にはすでに2°ほど離れていたが、イーソス13mmをセットした NP101では火星の形がわかる倍率で両方が同一視野に入り実に面白い眺めだった。もちろんM35の傍らにある小さな散開星団NGC2158もよく見えた。たとえイーソス13mmと同じ焦点距離と見かけ視界のアイピースがあったとしても、周辺像の悪化が極小のこのテレビュー同士の組み合わせでなければ、火星の形は崩れてしまってM35も星雲状にぼやけてしまうだろう。

 今回は観望時間は2夜合わせて4時間半と短かったが、好天と良好な空に恵まれて、イーソス13mmのすばらしさを十分に体感することができた。

10月11日

 日付が12日になってから、富士山にてNP101とイーソス13mmの組み合わせで観望した。前2夜で見た秋の対象をまた楽しんだ後、この組み合わせでは初となる冬から早春の対象、オリオン大星雲とその付近の星雲星団、NGC2024、M78、M79、M41、プレセペ星団、NGC2672-3、M67、M81・82、NGC3077、NGC2976、重星のιOri、δOri、σOriを楽しんだ。

 オリオン大星雲の南端には、小三つ星で言うと一番下の星にあたるι星がある。この星は美しい青色の伴星を持っている。NP101+イーソス13mmだと、小三つ星のすぐ北にある散開星団NGC1981から、散光星雲NGC1977、オリオン大星雲、そしてこのι星までを同一視野におさめることができる。周辺像の悪化がないために、視野の端にあるι星のかすかな伴星もはっきりと見える。そして、42倍という10cmでのオリオン大星雲観望としては高めの倍率は、星雲の濃淡のコントラストをくっきりと浮き上がらせる。

 散光星雲NGC2024と色の対比が美しい四重星σOriも同一視野に入り、かつ、2024の“燃える木”あるいは“葉っぱ”と呼ばれる様子も、10cmでは良好な光学系でないと難物であるσOriの4星の中で最も暗い星も、高めの倍率と良好な周辺像のおかげでよく見える。

 プレセペ星団は、星団を構成する星々の色がわかりやすい倍率で、星団全体がちょうど視野内におさまる。その近くにある小さく暗い系外星雲NGC2672-3も高めの倍率のためによく見える。

 M81・82も、二つが同一視野に楽におさまるだけでなく、81の渦巻きの回転方向と82が不規則型であることが双方とも視野の中心にはないにもかかわらずよくわかった。



栃木県宇都宮市 YK様


Ethos13mmについて非常に主観的ではありますが、報告します。
使用鏡筒はNP127、倍率は51倍、実視野は1.9度です。視野のほとんど端まで星が「点」です。歪曲収差も少なく、フリーストップで視野を動かしても違和感がありません。惑星を観ていないので詳細はともかく、中心部のコントラストも十分高いようです。しかも、かなりの範囲でシャープネスも保たれています。そしてなんといっても視野は広大です。Naglerが宇宙船の丸窓から覗いていた感覚ならEthosはそのまま肉眼で見ているような感じです。アイレリーフは15mmでアイポイントがややシビアですが、私は双眼なので目の位置はほぼ固定されるためか(しかも星空の背景は黒い)ブラックアウトもそれほど気にならず、何ら問題はありませんでした。ただ、どうしてもアイレンズと眼球の距離が短くなるのでアイレンズが曇りやすくなります。当初はNagler Type5/16mmと比較するつもりでしたが、すぐにやめました。Ethosの見せる絵に魅了されたからです。M31では伴星雲が浮遊している感じがします。M42ではトラペジウムがあれだけはっきり離れて見えるのに視野内に小三つ星が入っています。プレアデスも星がゴチャッとではなく離れた感じで全部視野内に入ります。二重星団も十分離れているのに同一視野です。M13は背景?の星野に周辺が星に十分分離した状態で浮かんでいます。M57も然り。これらは初めての経験でした。

昭和機械製作所の35cmF4ニュートンではパラコアをつけた状態でほぼ周辺まで点像になります。ただし、フォーカスを合わせるためにはアイピースにバレルエクステンダーが必要でした。タカハシのε180(F2.8)はそのままで視野の端まで点像になります(取付にはバックフォーカスの工夫が必要)。驚きました。凄く相性が良いようです。
TVJのHPの記載は誇大広告の類ではありません。唯一「快適なアイレリーフ」という部分に賛同しかねますがEthosは凄いアイピースです。とにかく驚きです。友人と3人と一緒に見ましたが、皆しばらくはその視野に見入って無言になりました。今までとは違う世界の扉が開いたのかもしれません。エポックメーキングなアイピースです。値段以外に購入を躊躇する理由がありません。


13mm ETHOSと双眼装置ビノビュー!
Feb. 10, 2008 Mike Harvey著、米天文サイト「CloudyNights.com」より、


 WOW! OMG! (ウァオ!オー・マイ・ゴッド!) もう見掛視界100度はなんて関係ない。とにかく、イーソス13mmはこれまで手にしたなかで最高のアイピース! コントラスト、シャープネス、抜けのよさ、等々、すべてが驚異的レベル。ゴーストや内部の散乱光がまったくなく、漆黒の背景に輝く恒星は私が所有する口径686mm、F3.66でも周辺まで完璧なダイヤモンドポイントを結像する!

 これまで何年もあらゆる高級アイピースを試してきたが、イーソスに匹敵するものはない!

6人くらいいっしょに、他のハイエンドアイピース13mm、14mmとイーソスをまじえ、M-51、ソアのかぶと、M-42をターゲットにアイピースを比較してみたが、みんな、イーソスが対物の口径を数インチ大きくした効果をもたらすことで意見が一致。誰の目にも、ターゲットが明らかにより詳細にみえるのがすぐに判る!

おまけに、土星の詳細についていえば、われわれが試してきた「惑星」アイピースのどれと比べても、勝るとも劣らないほどである。ここでも、ゴーストや内部散乱光がまったくない。こいつは何でもこなしてくれるすぐれもの!

 ところで、見掛視界100度について言えば、いっしょにいた友人がこう驚嘆する。「まるで自分自身がそこに落ちていく感覚。望遠鏡という存在が消え、ターゲットを目の前にして宇宙に立っているかのようだ」。

アイピースを1本だけ選ぶとすれば、これしかない!