イーソスクォリティーの光学性能
イーソスのエッセンスを採りいれた新アイピースシリーズ“デロス”。見掛け視界こそ72°に制限しましたが、アイレリーフを20mmに伸張。たとえれば“イーソスを細長くした”アイピースです。結像性能は、まさに“イーソスクォリティー”。角倍率の歪曲、倍率の色収差、像面の湾曲が無く、全視野にわたって鋭敏な星像を観察できます。くわえて、上質なコート処理によりゴーストやハローが無く、透過率の高い自然な色再現を実現しています...テレビュー社より
米国天文月刊誌スカイ・アンド・テレスコープ6月号 ...デニス・ディ・チッチョ
テレビュー社の新しいアイピースシリーズを紹介しよう。一見、光学的な仕様に特筆すべきものはないようだが、中身をみていくとその違いに期待が深まる。
系統はあの画期的なアイピース「イーソス」と似ているが、現時点で6mm、10mmという焦点距離のデロス本体は、よりコンパクトに設計されている。見掛け視界「72度」も、イーソス(100度)、ナグラー(82度)に次ぐ仕様となるが、定評あるパンオプティック(68度)よりも広い。
デロスのアイレリーフは20mmを超えている。当然のことながら、メガネを掛けてアイピースを覗きたいユーザーには快適なだけでなく、オプションの乱視補正レンズ「ディオプトロクス」にも対応する。さらに、アイガードは無断階のスライド式、ちょうどよいところで、コレット部を逆回して高さを固定できる。
“デロス”とは、ギリシャ神話に出てくるアポロ神(光の神)と、その双子の姉妹アルテミス神(月の女神)の出生地とされる島の名前。また、デロスとイーソスの光学設計を担ったテレビュー社の“ポール・デレカイ”にもちなんで名づけられた。
このレポートに使ったデロスはテレビュー社より借用した。プロトモデルはバレルの刻印が個体ごとに異なるが、生産モデルでは統一される。15センチF12のマクストフ、30センチF5のニュートニアン、テレビュー社の屈折望遠鏡NP-101(10センチF5.4)などの望遠鏡にデロスを装着し、月、土星、恒星、星雲を相手に数夜テストを続けた。
眼球を射出瞳に合わせることが必要だが、覗きやすい。視野はフラット、恒星は視野の端から端まで色収差をまったく感じることなく、完璧にピンポイントで結像。とりわけ、昼間の景色には色好きがまったく無く、ピュアな見え方である。夜、明るい恒星を覗いても、ゴーストや散乱光の気配をまったく感じない。正直、テレビュー社の新設計アイピースとはいえ、ここまでとは。
もちろん、デロスの使用感についてもコメントしておこう。圧倒的に楽しい星空だ。個人的にもいろいろな思い込みはあるが、そのすばらしい体感は、「広角でありながら、その境界がはっきりと判る見掛け視界のせいだろう」と最初は思っていた。眼球を動かすことなく、視野全域を見渡せるのは確かに気持ちいいものだ。しかしながら、ほぼ同じ焦点距離のナグラー6_9mmをはじめ、他の数多くのアイピースと比較してみると、デロス(10mm)には別の何かがありそうだ。
デロスの大きなアイレンズは幅35mmもあり、星を覗いてみると、自分の周辺視覚よりもずっと大きい。実際、アイピースを覗くというより、窓から外をみている感覚である。他にもアイレンズの大きなアイピースを持っているが、デロスの「ウィンドウ」効果は際立っている。ほかのひとの感想も聞いてみたいところだ。
いずれにしても、「アイピースの設計に最終形はない」ことをあらためて実証してくれたのは、またしてもテレビュー社である。
|